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【再掲】打首獄門同好会 獄至十五 ファイナルワンマンツアー Zepp Tokyo 無観客ライブ生配信 覚書

2020年2月29日(日)打首獄門同好会 獄至十五 ファイナルワンマンツアー Zepp Tokyo 無観客ライブ生配信の覚書

 

ツイッターに感情の赴くまま書き散らかした文章をブログにも置いておこうなんてさらに恥をさらすだけじゃないか企画、四つめです。

 

10万人が目撃した無観客生配信の覚書です。後でレポを書くなんて思っておらず、泣いたり笑ったりツイッターでつぶやいたりしながら観たので記憶違いがたくさんあります‥。会長のMCなんて一言も合ってないかも‥。

 

恥ずかしいけどもう答え合わせもできないし、感動しすぎて眠れなくて、夜中にどうしても書きたい衝動に駆られて書き殴ったことがそのまま思い出されるので、あえて直さずに置いておきます。

 

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(本編ここから)


3日前の26日に発表された生配信。画面の前で配信を待つだけの私ですらドキドキしながら始まった。なんと司会進行役が登場。FM802のDJ・大抜卓人さんの第一声ではじまる。

次に「オメでたい頭でなにより」の赤飯さんが隣にすわり、一緒に進行。 どうやらこの2人が進めてくれるらしい。ステージはまだ無人だ。


何やら軽快な音が鳴り始める。赤飯さん「今流れてるの、いつものSEじゃないんですよね」。ステージ上のVJスクリーン上の映像に変わると「新型コロナウイルスがにくい」という思いをコミカルに歌った曲が流れる。会長お得意の「録って出し」の曲だ。やられた!これは想像してなかった!

今の世の中を覆っているどんよりとした思いも、会長にかかれば笑いに変えられてしまう。これぞ打首さん、といった感じ。


そしていつものSE「池袋のマニア化を防がNIGHT」で登場。会長がいつもの獄バスタオルを掲げ、それぞれ定位置に付く。 「言うなれば、Zepp日本!」という会長MCでオープニングは「こどものねごと」。「お前ら」の歌詞を日本に変えた「オッケー日本あそぼうぜ!」で待ちに待ったファイナルライブが幕を開ける。


なんと、映像に歌詞の字幕がついていた。見ていて分かったのだが、カメラでは主に演者を映さなければならず、打首のウリである歌詞付きのVJ画面まで納めることができない。字幕は初めて視聴する方も多い今回の配信のための、細やかすぎる策だと思った。

 

そして字幕を出すのは前マネージャー兼VJのサカムケちゃん。その名前を聞いただけで泣けてくる。


たたみかけるように『ニクタベイコウ!』『私を二郎につれてって』とテンションを上げていく。 このあたりで「あぁ、いつもの打首さんだ」と思う。本当にいつも通りの熱さ、フロアに人がいないなんて思えない熱量が、音から画面から伝わる。

 


間を置かず始まった『音楽依存症生活』 。正直、私はここで号泣してしまい、記憶がほとんどない。「ライブハウスへようこそ!」というセリフが響いたことは覚えている。


「耐え忍ぶのさ それが世の中だとさ」

「それでも社会は厳しいようで 逃げてちゃいけないそうなので」

「耳の穴から注いだ何かを どういうワケだか力に変えてる」

 

曲を作った本人たちが今一番感じているだろう理不尽さ、多くの人が感じている社会の窮屈さを思い、そしてここ数日私に起こった仕事での悔しさを思うと泣けてきた。


耳や頰がかぁっと熱くなる。力が熱を持って耳から心に流れていくのを感じる。私は音楽が力に変わっていくのを体感していた。

 

 


泣いていては楽しめない。付いていかなくては。


会長MCでスクワットのやり方をレクチャーし、始まる新曲『筋肉マイフレンド』。

もちろんみんなおうちでスクワット。  今回歌詞をじっくり見ることができて、とても勇気を貰えた。また冒頭のギターの速弾きをカメラがアップで見せてくれたのも嬉しかった!とてもかっこいい。

 

私が大好きな『糖質制限ダイエットやってみた』 に続き『TAVEMONO NO URAMI』。

そしてゲストが登場、主治医のDr.COYASSを招いての『歯痛くて』。コヤス先生の、観客のいないフロアに向かっていつもと全く変わらない熱い煽り、お客さんが見えてるとしか思えない。画面を介してもテンションを上げまくってくれる。


進行役の大抜さんと赤飯くんのトークをはさみ、お三方はお遍路装束で再登場。

『88』。この曲は一度でいいからライブで聴いてみたいと思っていたので嬉しい。


このへんで「みなさんの健康を祈らずにはいられない」というMCがあったと思う。今回、全体的にMCは少なめ。初めて見る方がたくさんいる中でだらだらとトークをすることを避けたのかもしれないし、内容がどうしても新型コロナウイルスが絡んでくるのもあったのかもしれない。

 

進行役が細やかに説明を入れていたが、本人たちが話すより客観的に語ることができるのでわかりやすくなっていて、構成が練られているのがわかる。この3日でどうやって!?チームの力を感じる。


コウペンちゃん登場でタイムラインにコウペンちゃんを呼ぶ声が響く。フロアでユラユラするコウペンちゃんと一緒に『布団の中から出たくない』。 終盤、なんとフロアにお布団が敷かれるという、おそらくZepp始まって以来初では?!という演出。リアルコウペンちゃんがリアルにお布団のそばで待っててくれるさまがかわいい。


布団の上には木彫りのネコ(雲林寺のネコ)が置いてある。そのネコからの『猫の惑星』。間髪入れず『Shake it up 'n' Go〜シャキッと!コーンのうた〜』。

このあたりで、視聴者数が8万人を超える。

 

会長「音楽業界は仕事が無い、もうちょっとバランス良く行けないものか、でも我々は言っていた、はたらきたくない、と・・・」というMCで『はたらきたくない』。

そうだよね、言ってたよね!普通にはたらけるからこの曲が生きるわけだけど、今はたらけなくて困っている人がいて。それをネタにして笑ってしまえるのが打首さんのいいところ。


あす香さんの岩下の新生姜コール、無観客ライブでもやってくれた!画面に向かって新生姜!と叫ぶ。もちろん私の声はあす香さんには聞こえてないけれど、代わりにレスポンスをPAスタッフさんがやってくれた。何だかかわいい。


新生姜ヘッドをかぶって、サリーちゃん(junkoさんのベースの鎖)が頭を通らないいつもの小芝居もちゃんとやる。今回は赤飯さんをステージまで呼んで通してもらう。

無事にヘッドをかぶれたか、会長の指さし確認後『New Gingeration』。

 

『デリシャスティック』では「いつもならここでうまい棒をみんなに配るんだけど・・・」という会長に、獄至十五のツアーTシャツにタオルを巻いた完全ライブ仕様の赤飯さんがステージ前に進み出て「会長!俺にうまい棒を回してください!」とお願い。2本のうまい棒を渡され、両手に持って踊りまくる。

まじめな表情で、曲の間一瞬も動きを止めないのがさすが。

 

ステージ上の真剣すぎる演奏に合わせてフロアで全力の振りが披露される中、うまい棒うまい棒!という声が響く。なんともシュール。


デリシャスティック後、会長が赤飯さんに「お願いがある。マグロを受け止めてくれ」と言い、ステージに風船のマグロが登場。赤飯くんに投げ渡される。

ステージ前に別のマグロが2匹、ゴムのようなヒモで天井から釣るされて、ビヨーンビヨーンと跳ねまわる。赤飯さん途中からマグロを抱えたままフロアにダイブ、転げ回る。

あす香さんが笑っているのが見ててすごく嬉しい。


会長「赤飯にもう一つお願いがある。戦争をしてほしい。でもひとりでは戦争ができない。どうしたらいいんだ・・・」 と悩んでいると、きのこ軍総大将・バックドロップシンデレラの豊島“ペリー来航”渉さん登場。 迷彩柄のつなぎに、手にはきのこのぬいぐるみ。爆笑する会長。 赤飯さんには、たけのこのぬいぐるみ。


ウォールオブデスの時間になると、会長の二手に分かれるが良い・・・というMCに従って、上手側に渉さん、下手側に赤飯さんがスタンバイ。雄叫びを上げる。

合図でお互い中央に向かって走り、体からぶつかるという前代未聞の「2人ウォール・オブ・デス」。そこからは子どものけんかのようにフロアを追いかけっこ。ぬいぐるみで強めにバシバシ叩いたり、つついたり、転がったり。自由!

 

その間中、真剣な顔で演奏する会長。あす香さんは歌声に時折笑いがにじみ出てしまう。そのくらい楽しい演出でした。


『カモン諭吉』 誰もいないフロアに向かってのコール&レスポンスは、短縮バージョンで福沢諭吉さんだけお呼びする。カモンカモンカモン福沢諭吉、と会長がコールし、あす香さんが答える。お客さんからの声はない、でも私には全国から諭吉を呼ぶ声が聞こえた。お三方にもきっと聞こえたはずだと思う。


フロアでレスポンスしながらその時を待つ赤飯くんと渉さん。その背中ごしに、ステージが見える。途轍もなく真剣な表情で諭吉を呼ぶ会長。そして最後のレスポンスでフロアに万札が降り注ぐ。大量の万札が舞い散る中で盛大にはしゃぐ赤飯さんと渉さん。

 

会長「今日は10万人の方が見てくれました。今日初めてライブを見てくれた方も知ってる曲を」で『おどるポンポコリン』。


ラストの曲は『日本の米は世界一』。

会長「願わくば、普通の日々を。春に田植えをし、夏に稲が育ち、秋に収穫、冬にはおいしい新米を食べられる、そんな普通の日々を願わずにはいられない」

この曲だって全国から「世界一!」の声が聞こえた。そう思わせるぐらいのエネルギーが画面から届いてくる。


3人がステージからはける。 この時私のツイッターのタイムラインはすでに「最初から!」で埋まっていた。

画面の中ではPAさんが最初から!コールをしてくれる。司会進行席にいる大抜さん、赤飯さん、渉さんが肩を組んでコールする。

すぐに戻ってきた会長の「もうちょっとだけやらしてもらいたいと思います」に、また泣けてしまった。

 

アンコールまでちゃんとやってくれる上に、見ている人を間延びさせないように休まず戻ってくる。今回の配信はコール&レスポンスも少なく、うまい棒を回す時間もないので全く休んでいない。2時間もの間、全力疾走している。


アンコールにはゲストが登場。「47都道府県ツアーで最も反響の大きかったこのコラボを」ということで、HEY-SMITHからホーン隊の3名が登場し『パ』のコラボを披露。めちゃくちゃかっこいい!

曲はもちろんのこと、歌わずにただただギターを弾いている会長はかっこいいし、キメ顔で「パールライス」というところすらかっこいい。


『フローネル』 Bメロの語りに入るなり「なんか歌が短いなーと思った方、ここまだBメロです」と丁寧に説明。過去のライブ動画でよく出てくる「Bメロですよー」が聴けてとても嬉しい。

 

今回のネコの語りはほぼ音源と同じ基本の内容で、初めて見る方への配慮が感じられた。 しかしながら目の前に客がいない状況で語る会長、やりにくいよう。

「これほんとに配信されてんのかな」「みんな笑ってる?大丈夫?」

ちょっと我にかえってしまったらセリフが飛んで話せなくなるんじゃないだろうか。ものすごい集中力だと思う。


じゅんこさんどうぞ、のコーナーでは 「(このコーナー)47都道府県でもやったじゃん?飽きてきちゃって」と爆弾発言。

「わたしお風呂に入らないじゃん?」と10万人が視聴する中でさらに問題発言。

「あの溝?桶?」「昨日は桶に入って、それからお布団にも入らずばったりうつ伏せで寝てしまった」という話を披露。グダグダなままあす香さんがタッタカタンとぶった切る。

 

会長の「ありがとうございましたー!」で遂に終わってしまったか‥と思ったら、記念写真までやってくれる!

お客さんがいないので、関係者やスタッフさん、カメラさんまでカメラを固定してステージ上に集まる。想像してたよりもたくさんの方が画面に登場してびっくり。


ざわざわと整列する中で、スタッフさんが人数が多いから何人かフロアに降りましょうかという提案をするが、 会長は「いや、フロアはお客さんのものだから」とそのままステージ上に並ぶ。


会長は何気なく言った言葉かもしれないが、この一言は心に響いた。その場所を、私たちがいるフロアを、大切に思ってくれていることが伝わってきた。

一生忘れないと思う。

 

会長「ライブができなくて、バンドマンは力を蓄えてます。 今回の配信でお金浮いたなと思う人がいたら、ぜひ次の機会に、ライブ費用にあててください。すごくいいライブをするに違いありません」

 


エンディングSEは『だらだらしたい』 。誰もいないステージとフロアの映像を、ずっと見ていたかった。覚めたくない。まだ帰りたくない。終演後の余韻が、本物のライブハウスに行った後と同じものだった。


違う、ライブハウスに行ってきたのだ。紛れもなく私がいた空間はライブハウスだった。

打首獄門同好会は、10万人以上の人をライブハウスに連れてきてくれた。

 

そしてこの観客たちはまたすぐに行きたくなってしまう。

この騒動が収まったら必ず行く。

私たちのフロアへ。